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少年非行を統計で見る
2009.12.22更新
子どもと法21ホームページ編集チーム制作

1. 少年一般刑法犯の検挙人員
 少年非行の大部分は刑法に触れる行為をした場合である。そこで、少年非行の全体的な推移をみるために、少年刑法犯の検挙人員をまとめた図1をみよう。

図1 (犯罪白書2009年版4-1-1-1図)は少年刑法犯の検挙人員・人口比
  • 1. 警察庁の統計及び総務省統計局の人口資料による。
    2. 触法少年の補導人員を含む。
    3. 昭和45年以降は触法少年の交通関係業過を除く。
    4. 「少年人口比」は、10歳以上の少年の少年刑法犯検挙(補導)人員の人口比であり、「成人人口比」は成人の刑法犯検挙人員の人口比である。

2. 少年一般刑法犯の内訳・・窃盗・横領の検挙人員で左右される

図2 (暦年の犯罪白書より作成)
※ 凶悪犯=殺人・強盗・強姦・放火(未遂含む)

一般少年刑法犯に占める凶悪犯の割合は(1966年3.8%⇒2008年1.0%)である。少年刑法犯の検挙人員の8割は窃盗と横領(ほぼ占有離脱物横領)、少年犯罪検挙人員は、窃盗・横領検挙の数で増減が左右される。

図3(犯罪白書(2005年版4-2-1-16図)のように、窃盗犯の中心を占めているのは万引き・自転車盗・オートバイ盗。これらは警察官による街頭活動に大きく左右される。

図3

 1. 警察庁の統計による。
 2. 触法少年の補導人員を含む。


3. 凶悪化はあるのか

図4 (暦年の犯罪白書より作成) 
殺人(未遂等含む)の検挙人員

4. 低年齢化はあるのか
  • (1) 一般刑法犯の年齢別人口比の推移
     図5のように、年少少年(14歳と15歳)は以前より下がっているし、触法少年(14歳未満)も同様である。

  • 図5 (犯罪白書2009年版4−1−1−3図) 

  • 1. 警察庁の統計及び総務省統計局の人口資料による。
    2. 「触法少年」は、補導人員である。
    3. 「人口比」は、各年齢層の少年人口の少年一般刑法犯検挙(補導)人員の人口比である。なお、触法少年の人口比算出に用いた人口は、10歳以上14歳未満の人口である。
  • (2) 高年齢化?
     非行のピークは、以前は14歳だった。だが近年はそのピークがずれてきている。図6(犯罪白書2009年版4-1-1-4図)によると、15〜16歳がピーク。1990年に入り、それまでトップだった中学生にかわり、高校生がトップに(犯罪白書2005年版の4−2−1−7図・・・図7)。
    ただし、その後、中学生の増加、高校生の減少がみられる(表1)。だが、いつの時代でも16歳をすぎると急激に非行から遠ざかっている。
  • » いつの時代でも、16歳をすぎると急激に非行から遠ざかっている。
  • 図6

  • 1. 警察庁の統計及び総務省統計局の人口資料による。
    2. 「非行少年率」とは、同じ年齢者の一般刑法犯検挙(補導)の人口比をいう。

  • 図7

  • 1. 警察庁の統計による
    2. 道路上の交通事故に係る危険運転致死傷を除く。
    3. ( )内は、実数である。
  • 平成
    総数
    (人)
    中学生
    (%)
    高校生
    (%)
    大学生
    (%)
    その他
    の学生(%)
    有職
    少年(%)
    無職
    少年(%)
    17 123,715 27.8 43.3 4.6 3.4 9.1 11.9
    18 112,817 27.9 42.4 5.2 3.2 9.8 11.6
    19 103,224 29.6 41.1 5.2 2.8 10.2 11.0
    20 90,966 31.0 39.8 5.0 2.5 10.7 11.0
    (追加として暦年の犯罪白書から作成しました)

  • 前年度版はこちら
− 子どもの育ちと法制度を考える21世紀市民の会 (子どもと法21) − 関連サイト 事務局通信
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