ある日の「子どもと法・21メーリングリスト」への投稿より

----- Original Message -----
From: "――――――" <――――――>
To: "子どもと法・21ML" <――――――>
Sent: Monday, July 22, 2002 3:13 AM
Subject: ニュースステーションの特集


 またまたこんにちは。
 さて、草加事件の集会のあった日(7/19)、短いですがニュースステーションで少年法関係の特集がありました。以前このMLで流された記事をもとにした特集でした。その記事内容は、このメールの最後を読んでいただければわかるかと思いますので、ここでは、ニュースステーションの特集について報告いたします。

 特集では、記事の内容を取材して映像にしていました。大津家裁は、加害少年2人を、「内省力があり感受性も豊か」として、中等少年院送致にしたことを紹介し、拘留中の加害少年の1人が友だちにあてた手紙には反省の言葉がなく、その後も謝罪の言葉もないことを伝えていました。
 そして、金沢大での被害者の母親の講義を映し、この講義を聴いた学生へのインタビューとして、
  「話を聞いてへこみました」
  「罪の重さに対して方でそれなりに裁くべき」
という、2人の学生の声を紹介していました。
 その後は、この事件の民事裁判を取材し、加害者の母親は和解はイヤだったが、加害者に謝罪を求めるため泣く泣く応じたこと。そして今は、謝罪を求め和解案に応じるのか、賠償額の金額にこだわり争いつづけるのか、選択に迫られているというところで、スタジオでのまとめに入りました。

 久米さんは、和解に応じないと謝罪を求められないというおかしさについてコメントします。
 朝日新聞編集委員の清水さんは、謝罪を和解の条件にするべきではない。謝罪は被害者にとっても加害者にとっても必要なものである。加害者の親、弁護士は、謝罪を法廷の駆け引きに使わないでほしいと述べました。
 そのあと久米さんは、謝罪をしないような少年たちを、「内省力があり感受性も豊か」として逆送にしなかった大津家裁の判断がわからない。「内省力があり感受性も豊か」な子どもなら謝罪するでしょうと言い、清水さんも、「内省力があり感受性も豊か」な子どもはそもそもこういう事件を起こしません、ときっぱりコメントして次のニュースに移ったのです。

 以上が特集の大まかな流れです。
 この日は新聞で特集のあることを知って、ビデオを予約して集会に行ったのですが、このビデオを見て、久々にカーッとなりました。
 和解に応じないと謝罪を求められないというのは僕も確かにおかしいと思います。謝罪を和解の条件にするべきではない。謝罪は被害者にとっても加害者にとっても必要なものであるというのも、十分納得のいくものです。でも、加害者の親、弁護士が本当に、謝罪を法廷の駆け引きに使っているのかという取材はなかったし、僕には本当にこういうことがあるのかどうかはわかりません。もし駆け引きがあるのであれば、これには僕もおかしいと思います。
 でも、もう何回も述べていることですが、謝罪なんて口で言って終わりなんてもんじゃありません。もしそんなものなら、ちょっと頭の良い子どもなら、いくらでも頭を下げ、涙を流して謝罪するのではないでしょうか。謝罪は大事なことですが、その子が謝罪の意をもっているのかどうかなんて、一体誰がわかるものでしょう。

 そして、一番僕の頭からマグマを吹き上がらせた発言は、
  「内省力があり感受性も豊かな子どもなら謝罪するでしょう」
  「内省力があり感受性も豊かな子どもはそもそもこういう事件を起こしません」
です。思わず、はあ〜!!???ってテレビに向かって声をあげてしまいました。感受性の豊かな子だからこそ、謝罪の意を外に見せない、見せられないっていうこともあるだろうし、内省力があり感受性も豊かな子どもは絶対事件を起こさないんかい!!って思ってしまいました。
 もちろん、この事件の加害少年たちがどんな少年たちで謝罪の気持ちを抱いているのかいないのかは僕にはわかりません。でも、上のようなコメントを何の疑問もなく口に出してしまうことに恐ろしさ、恐さを感じてしまうのです。
 どんな子どもだって事件を起こしてしまうこと、内省力があり感受性も豊かな子どもだからこそ日々の生活に耐えられなくなってしまうこともあることをわかっていない。それなのに、大きな顔で日本中に放送するな!!って思ってしまいました。

 4年後の少年法見直しまでに、ニュースステーションはなんとかしないとものすごく不安です。
皆でいろいろ投稿しましょうよ。
http://www.tv-asahi.co.jp/broadcast/n-station/index2.html で少年犯罪の意見を募集しています。ぼくは既に投稿しました。
 また、この放送によって、大津家裁が自身の判断に疑問をもってしまうかもしれません。もしかしたら抗議の電話とかもあるかもしれません。僕たちは、応援のメッセージを送りましょう。
 大津家庭裁判所
 520-0044 滋賀県大津市京町3‐1-2  0775(22)4281が住所です。僕は既に投稿しています。

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 うーん、ちょっと熱いかな。でも、これぐらいしないとね。今年の夏も熱そうです。
 またまた長くなりました。でもきっと皆さんなら読んでくださっていると思うので、僕もキーボードを打つ音も大きくなるというものです。
 それでは、また!!

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