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2007年5月24日参議院法務委員会で採択された付帯決議です。

少年法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議

政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。

一 触法少年に対する警察官の調査については、一般に被暗示性や被誘導性が強いなどの少年期の特性にかんがみ、特に少年の供述が任意で、かつ、正確なものとなるように配慮する必要があることを関係者に周知徹底すること。また、これら少年に配慮すべき事項について、児童心理学者等の専門家の意見を踏まえつつ、速やかにその準則を策定すること。

二 当委員会における平成18年6月1日付「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議」において、「裁判員制度の実施を控え、刑事司法制度の在り方を検討する際には、取調べ状況の可視化、新たな捜査方法の導入を含め、捜査又は公判の手続に関し更に講ずべき措置の有無及びその内容について検討を進める」としていることにかんがみ、この検討の中で、触法少年に対する警察による質問状況の録音・録画の要否についても、刑事司法手続及び少年審判手続全体との関連の中で検討すること。

三 保護観察中の少年の遵守事項違反を理由とする少年院送致等については、保護司や保護観察官と少年との信頼関係を基礎とする保護観察制度の理念を後退させることがないよう、適正な運用に努めること。

四 低年齢の少年は、発達段階に応じた個別処遇が必要であることにかんがみ、14歳未満の少年の少年院送致、特に、小学生の少年院送致については、児童自立支援施設との連携を図りながら、受入態勢に万全を期し、教育、情操面において遺漏なきを期すること。

五 保護観察制度の実効性を向上させるため、保護観察官の増員を図るとともに、少年の保護事件について適切な経験・能力を有する保護司を確保し、育成するための取組を積極的に推進すること。

六 少年非行の防止、抑止のためには、特に、児童福祉的対応の体制強化が緊要であることにかんがみ、児童相談所における児童福祉司等のスタッフの増員や専門性の強化、少年非行対策班の設置など必要な人的体制の整備・拡充を進めるとともに、一時保護所の設備の改善・充実を図ること。

七 触法少年の中には、虐待を受けたり、発達障害を有するなど医療的ケアが必要な児童が少なくないことにかんがみ、児童自立支援施設において児童が児童精神科医等の専門家による十分な医療的措置を受けられるよう、人的・物的体制の整備・拡充を図ること。

八 少年の非行は、家庭、学校、地域社会等の問題が複雑に絡み合って生じていることを踏まえ、少年非行の防止や非行少年の更生に当たっては、その処遇を担う機関だけではなく、関係諸機関、団体等が有機的に連携し、地域社会と協働した総合的な取組強化を推進すること。

右決議する。

− 子どもの育ちと法制度を考える21世紀市民の会 (子どもと法21) − 関連サイト 事務局通信
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