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少年法改悪を許さない! 連続院内学習会(チラシ)
日時:2007年3月8日(木)11:45〜14:00
場所:衆議院第2議員会館第4会議室
2000年の改悪に続く少年法改悪法案が国会に提出されたのが2005年3月1日。この日から約2年が経過した今回の国会で、ひょっとすると少年法改悪法案を成立させられてしまうかもしれない。この法案が通ってしまうことはどうしても防ぎたい。そんな思いを参加者みんなで確認して、そして、その思いを新たにすることができた集会だったように思います。
このたびの院内学習会では、『家栽の人』の原作者の毛利甚八さん、国立武蔵野学院に長年勤められ院長も経験された徳地昭男さんからのお話がありました。
- 少年法「改正」法案の解説
渡辺演久 さん(朝日大学大学院)
(その1 13分間)
- お話
毛利甚八 さん(『家栽の人』原作者)
(その1 17分間) (その2 20分間)
毛利さんは、『少年院にいる子どもたちが少年院で成長しても、社会の中で生きていくための仕事がなく、生きていく希望を持つことができない』、という問題を提起されました。大分
の少年院にいる子どもたちがウクレレの演奏を通して感受性を取り戻し、様々な場面で成長していく様子をお聞きしているときには、少年院でも成長していける子どもたちがいることに感動していました(毛利さんは大分の少年院で子どもとかかわっておられます)。しかし、少年院で成長した子どもたちも、社会に出てしまうと、仕事がなく、生きる希望を失ってしまう、というのです。毛利さんはこのような社会状況を踏まえて、今回の少年法改悪法案によると従来から予算を持っていた警察に役割を増加させるだけで問題は解決しないこと、問題の根本的な解決のためには児童福祉や地域社会の産業基盤の拡充に新たな予算を投入することが必要になることを指摘され、政府は根本的に姿勢を改めなければならないとまとめられました。
- 発言
1)児童福祉分野からのお話
徳地昭男 さん(前国立児童自立支援施設・武蔵野学院院長)
(その1 17分間) (その2 9分間)
2)共謀罪のお話
小倉利丸 さん(富山大学教員)
(その1 17分間) (その2 4分間)
徳地さんは、『児童自立支援施設にいる子どもたちのほとんどは1人親の家庭で育
ってきており、さらには虐待を受けきた子どもたちであるために家庭的な雰囲気での支援が欠かせないこと、そして、13歳という年齢の子どもたちには家庭的な雰囲気が欠かせず、矯正ではなく、共生によってこそ、子どもたちが成長の道へと歩き出すことができる』というお話をされました。少年法の改悪案が14歳未満の子どもを少年院に収容しようとしていることは、このような徳地さんのお話からすると、むしろ子どもが立ち直れず、再非行が起きてしまうという、悪循環を引き起こすだけになってしまうのではないかと感じていました。
また、警察の役割を強めてちょっとの悪でも許さずに懲らしめる(少年法改悪との関係で言えばぐ犯少年への強制捜査)という発想は共謀罪の問題にもつながること、そして、ちょっと話し合っただけでも警察による逮捕・家宅捜査がされて、これによって近所・友人・会社との関係が悪化してしまうという人権侵害への懸念を、小倉利丸さんからお話いただきました。
- フロアからの発言
今日の集会を通して、一見すると異質に見えるものにある本当の理由を見ようとしないで、簡単に罰しようとする政府の姿勢への違和感をより強くしました。毛利さんや徳地さんの現場でのお話しを通して、一見すると異質にあるように見えることにある本当の理由を知ることができた、貴重な体験になりました。
共催:
子どもと法・21、触法少年研究会、NPO法人東京都地域婦人団体連盟、ふえみん婦人民主クラブ、日本キリスト教協議会(NCC)教育部、アザウイズ・ジャパン、教育基本法「改正」反対市民連絡会(継承準備中)、子どもと教科書全国ネット21、子どもプラスmini編集室、NPO法人東京シューレ(順不同)
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