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抗議声明を、参議院議員に送付いたしました。
政府与党は、15日、参議院本会議にて教育基本法「改正」法を採択した。これは、「国家を縛る基本法」から「国民を縛る基本法」というように基本法の性質が質的に転換するもので、実質的な新法制定である。にもかかわらず、十分な根拠(立法事実)がまったく明らかになっておらず、国民の慎重審議を求める声に反したものである。 そして、子どもの成長を図る目的の教育を、国家に役立つ人材作りを主眼とする教育に変更するものであり、憲法26条、13条に違反する。 また、新法2条の「教育の目標」には、「愛国心」など20以上の徳目が盛り込まれており、これは教育を国家が統制することとなることにほかならない。親・保護者の指導の尊重を認めないものであり、子どもの権利条約等にも違反する。 しかも、教育基本法は子どもの教育だけでなく、社会教育・家庭教育さらには地域の教育にも波及するものであるから、子どもや親・保護者はもちろん、すべての市民の思想・良心の自由や表現の自由をも侵すことになる。 さらに、16条の「不当な支配」とは誰の何に対する支配なのかが明確ではなく、政党政治の下、多数決原理で制定される法律に基づけば、どのような教育内容・方法も可能になり、国家・政府による教育への介入を無制限に許すことにもなる。 このようなことで、現在教育が直面している諸問題が解決されるわけがない。 それなのに、参議院の審議も衆議院同様、ただ時間をかけただけであり、何をどう議論したのかが全く見えてこない。 このままでは、国家による教育管理と競争主義による教育がさらに進み、教育現場はさらに息苦しい場になってしまう。1人ひとりが大切にされない教育現場で、「勝ち組・負け組」という格差が子ども社会にも及び、確実に子どもたちへ悪影響をもたらす。これでは“いじめ”をはじめとする諸問題は改善するどころか、さらに深刻な状況をもたらすばかりである。 このような問題ばかりの新法は、即刻廃止すべきである。 |
− 子どもの育ちと法制度を考える21世紀市民の会 (子どもと法21) − | |||