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第3次「ヒューマン・チェーン」(人間の鎖)
教育基本法改悪反対!―少年法改悪反対、改憲手続法と共謀罪の新設反対―

「ヒューマン・チェーン」で国会包囲!! »案内チラシPDF
日時:2006年12月6日(水)16:00 参議院議員面会所にてリレートーク
  • 17:00 参議院議員会館前にてリレートーク
         キャンドル・ヒューマン・チェーン
         コール&トーク
  • 18:30 終了

イチョウも黄色く色づいてきた中、私たち市民の声を国会に届けねば!ということで、第3回目のヒューマン・チェーンが行われました。
ザ・ニュースペーパーの安倍首相

冬空の寒い下、約3500人が集い、教育基本法改悪反対、少年法改悪反対の声を夜空に轟かせました。
ゲストは、ザ・ニュースペーパーの安倍首相。
「こんなに集まっていて『やらせ』ではないと聞いて驚いている。与党の集会なら3万円もらえる」など演説し、参加者に笑いを提供してくれました。


少年法からの発言は、全司法労働組合の伊藤由紀夫調査官。少年法の問題や様々な問題が繋がっていることを、短時間でわかりやすくお話されました。(※下記参照)
この日は北海道・愛知・新潟・大阪でもヒューマン・チェーンが取り組まれ、怒りの連鎖は全国に拡がっています。

国会情勢報告では、私たちの運動の力で今週の採決は何とか阻止できた状態です。次のヤマ場は来週13〜15日。「13日に第4波ヒューマンチェーンで集まろう!」を合い言葉に、第4回目も成功させ、改悪を阻止していきましょう。13日のご参加&お知らせ、宜しくお願い致します。


少年法改悪も阻止しなければならない

全司法労働組合少年法対策委員会
(家裁調査官)伊藤由紀夫

教育基本法改悪反対のためにお集まりの皆さん、冬空が深まる中、本当にお疲れ様です。
私は、家庭裁判所で26年余、少年事件担当として約20年、3000例ほどの非行少年や保護者との面接調査や処遇探索を行ってきました。
少年にはワルが増えている、だったら厳罰でいいじゃないか、少年法を厳罰化しろ、とお考えの方も多いかと思います。学校現場で、非行系の少年に大変苦労されている、中学校の先生も多いかと思います。しかし、皆さん。今、進められている少年法の改悪は、大きくは憲法改悪や教育基本法改悪、国民投票法の新設、共謀罪の新設といった問題と密接に関係した問題です。是非、聞いてください。

まず、少年は悪くなっているでしょうか。メディアによって、少年による殺人が増えている、いじめによる自殺者が増えているといったお考えを持っているのではないでしょうか。実際には、そんなことは全くありません。例えば、少年による殺人・殺人未遂事件は、昭和30年代には毎年300件前後起きていました。最高は、昭和36年の387件です。しかし、その後、減り続け、昭和60年に104件となって以後、現在まで20年以上、少年による殺人・殺人未遂事件は100件を越えたことはありません。平成16年、17年とも50件以下になっています。少年が凶悪化しているという安易なメディアの報道は、あたかも問題意識をもっているかのようであって、実際は現実を何も見ていない、勝手な独断に基づいて〈不安神話〉を煽っているとしか言いようがありません。いじめについても、約15年前にもいじめについてブームになったことがありましたが、現在、急に増大しているわけではありません。
本当に不幸にして、イジメにあって自殺に追い込まれる少年は後を絶ちません。そうしたことはできるだけ防がねばなりません。少年による理不尽な殺人行為も防がねばなりません。私も長年、そうした重大事件を扱って、厳しく追及しながら、しかし泣きながら、調査を重ねてきました。
まずは少年が凶悪化している、そうした事件が激増しているなどということは根拠が無いことを知ってください。

2000年に改悪された少年法は、今、新たな改悪に直面しています。この新たな改悪は、刑事責任年齢に達してもいない14歳未満の少年について、年齢制限も一切なしで、ちょっとした違法行為であっても、さらには違法行為にも至らない虞犯行為の疑いがある場合までも、全て警察官の捜査(調査と称していますが)にゆだねるというものです。本来なら児童相談所が関与し、時には小中学校の先生が関わり、保護者が責任を持つべきところを、まず第一に警察の手にゆだねる、そして警察は、14歳未満の少年だけでなく、保護者を、先生を、その友達までを警察に呼び出す権限を拡大できるという法律です。また、14歳未満の少年を、やはり下限年齢などを一切考慮せず、少年院にも入れられるようにするという法律です。

皆さん、現在、安倍政権が進めようとしている憲法改悪、教育基本法改悪は、国民のための国、国民のための教育であるべきところを、国のための国民、国のための教育に大きく逆転させようとするものです。その根拠として、日本の国や教育が今おかしい、先生が変だ、このままではダメになる、だから憲法や教育基本法を変えるのだという、全く根拠のない理屈があります。そして、こうした改悪を進めるのと同時に、国家による国民の監視、警察権限の拡大を画策しており、共謀罪の新設はその一環です。国民投票法案などは、外見は改憲のための手続き法のようですが、実際の内容は、その半分以上が行動規制と罰則規定であり、実体は全くの処罰法でしかありません。こうした自民党政権の考え方の中には、国のためにならない存在は切り捨て、警察が取り締まる、社会から隔離するといった考え方が歴然としています。

皆さん、現在進められている少年法の改悪は、こうした改憲、教育基本法改悪、共謀罪新設、国民投票法新設といったことと根本を共通させた問題です。謂われのない凶悪化を論拠にし、問題少年は切り捨てる、10歳でも8歳でも警察の手にゆだねるという発想です。そこには、本当の意味での教育の充実や、福祉の向上、社会的連帯への信頼はありません。教育や福祉よりも警察権力を優先していいのでしょうか。
ここにお集まりの皆さんは、戦争ではなく平和を、格差ではなく公平平等を求める人たちだと思います。本当の意味で環境問題を心配する人たちだと思います。安倍首相が曖昧にしか言えない「美しい国」ではなく、本当の意味で、社会と人間の美しさを作ろうとしている人たちだと思います。私たちは裁判所職員で作る小さな労働組合ですが、そうした皆さんに心から連帯の声を送ります。是非、少年法改悪についても知っていただき、改悪反対の声を上げていただきたいと、心からお願いします。


− 子どもの育ちと法制度を考える21世紀市民の会 (子どもと法21) − 関連サイト 事務局通信
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