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第6回 少年法「改正」法案 問題点の解消を求める院内集会(チラシPDF)

日時:2006年12月5日(火) 11:30〜13:00
場所:衆議院第一議員会館第一会議室
主催:日本弁護士連合会(日弁連事務局人権第一課 03-3580-9503)
  1. 開会挨拶 松本光寿さん (日弁連副会長)

  2. 久保大さん(元東京都治安対策担当部長)のお話

    『治安はほんとうに悪化しているのか』(公人社、2520円)の著者である久保さんから、警察権限拡大という「改正」点の前提とされている「少年犯罪の凶悪化・低年齢化」について、本当にそうなのか?というお話をいただきました。

    「少年犯罪の凶悪化・低年齢化」については、特異な事件を挙げて、統計データを使って裏付けているが、特異と言われる事件は過去にも同じような事件もあったし、統計は様々な要因で変えられる。例えば、補導活動が盛んになれば、不良行為少年の補導数は確実にあがり、治安は悪化しているように見える。反対にいじめ対策などに忙しく補導活動が減退すれば、少年補導数は減る。

    確かにそうですね。会場からは驚きの声が上がっていました。
    特に印象に残った久保さんの言葉は、「子どもは未熟と思うことによって、大人は自分のアイデンティティを支えている」「最近の、少年たちの行動に対する不寛容さは、教育基本法改正とも通じる問題」というものでした。
    著書『治安はほんとうに悪化しているのか』では、もっと様々なことが載っているとのこと。読んでみたい一冊です。


  3. 奥山眞紀子さん(児童精神科医、国立成育医療センターこころの診察部部長)のお話

    奥山さんからは、現場の状況や法改正の問題点をお話いただきました。

    最近の少年犯罪は、新しいタイプの犯罪、新しく見えるタイプの犯罪が見受けられる。それならば新しいシステムを作って対応すればよいのにそれをせず、古いシステムを対応しようとしている改正法案は問題だ。
    今回の法案は、子どもたちはもちろん、子どもに関わる現場の声など、子どものことをわかっている人の声を聞き、様々な「叡智」を集めて作った改正法案ではない。

    お話を聞いていて、本当にその通りだと思います。そして、さきほどの新システムのあり方を提言する委員会の設置など、いくつかの提言をいただきました。


  4. 会場からの発言
    • 大学生から
    • 高校生から
    • 弁護士から

      会場からの発言は、現役高校生や、少年法ゼミに参加している大学生から。
      「改正」法案が出されているとことが一般に伝わっていない状況や、ご自身の経験から改正したところで、根本的な問題は何も解決しないという発言でした。


  5. 現況報告 斎藤義房さん (東京弁護士会)
斎藤義房さんの現況報告(6分)を聞くことができます。

議員参加は、高山智司議員(衆・民主)が参加されたのみでした。「少年法は今国会での採択は事実上無理」という雰囲気になってきたからかもしれません。しかし、秘書の方は9名参加されたということです。
しかし、まだ情勢はどうなるのかわかりません。法務委員会理事会では、連日共謀罪か少年法かの審議入りを廻り、膠着状態が続いています。そして、仮に継続審議になったとしても、来年の通常国会で審議されるのは確実。そのためにも、今回の集会は実りあるものになったと思います。
今回いろいろ出された問題点を広く伝え、少年法「改正」法案を廃案にするべく、一層活動しなければと感じた集会でした。


− 子どもの育ちと法制度を考える21世紀市民の会 (子どもと法21) − 関連サイト 事務局通信
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