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少年法改悪を許さない! 連続院内学習会
 〜現場の声を聞く〜

第1回2006年10月11日(水)11:45 〜14:00
 警察関係者のお話 〜補導の実態など〜
  • 少年法「改正」法案の問題点
  • 警察関係者の方からのお話
  • 元少年インタビュービデオ
  • 警察関係者の方と石井小夜子弁護士の対談
  • フロアからの発言
 連続院内学習会の第1回が、10/11(水)開かれました。

院内集会の冒頭(6分)をが聞くことができます。
 ・集会議事録

 会場いっぱいの60名以上の参加で、議員も河村たかし議員、平岡秀夫議員、保坂展人議員、仁比聡平議員、郡和子議員に参加していただきました。


 警察関係者Aさんのお話は、まさにビックリすることばかり。話には聞いていましたが、本当にここまですごいとは・・・。

 警察が発表する統計は当てにならないというのは当たり前。警察は何か「目的」がある時、その「目的」に合わせて、それに合った統計を発表するとのこと。これにマスコミが飛びついて、私たちのところに伝わっていくというのです。「体感治安」の悪化も、こうしたことから広がっていくんだと実感しました。

 警察官に対する公務執行妨害についてもお話をいただきました。公務執行妨害はまさに伝家の宝刀。Aさんご自身は公務執行妨害成立には厳格な要件があると思っているということでしたが、実際の現場ではすぐに出してくるとのこと。警察権力を拡大していったら、この公務執行妨害がドンドン増えていくのではないかという、怖い予想もお話いただきました。調書も今はワープロの時代。前に使ったひな形を使って、少年には最後に署名をさせるだけ。

 警察にとってマイナスになるような途中の部分は、その後書き直すこともあるというのだから、本当にこんなひどいことが行われているのか信じられない!といった思いです。

 警察の本音は、「国民のデータをすべてとりたい」ということ。すでにもうある程度進んでおり、監視社会・管理社会になっているというお話には、まさに今継続審議となっている「改正」法案の目指すところと同じなんだと納得してしまいました。

 最後にフロアからの「改正のことを現場の警察はどう考えている?」という質問に、Aさんは、現場では改正案のことなど調べている人はほとんどいない。もし改正されたら、「法律が変わったから、〜ができるようになるんだ」と思うだけだということでした。うーん、なんとなく想像できるような・・・。

 この「改正」、ホントに許してはならないなって思うことしきりの、第1回院内学習会でした。Aさん、貴重なお話、ありがとうございました。

第2回2006年10月16日(月)11:45 〜14:00
元自立支援施設職員&家庭裁判所調査官(全司法)
 奥山和子さん & 古田誠さん
  • 少年法「改正」法案の問題点
  • お二人から発言
  • コーディネーターを交えての対談
  • フロアからの発言
 まずはじめに、コーディネーターの渡辺演久さんから少年法、そして今回の「改正」法案の問題点の説明があり、その後奥山さん、古田さんのお話&対談となりました。

院内集会の冒頭(11分)をが聞くことができます。
 ・集会議事録

 古田さんいわく、今回の「改正」は動機が不純。少年事件は凶悪化も増加もしていない。最高裁はここ数年、少年事件は減少しているという理由で、家裁調査官の増員をしていないが、これは法務省の発言と矛盾している、ということ。これには会場からも失笑が漏れていました。
 現場の声を取り上げての「改正」議論でないことが問題。児童相談所などの現場の力を強化させることがまずは必要。今回の「改正」は、金をかけたくない、時間も忍耐もかけなくないといった、大人が手抜きをしたいための「改正」だという、古田さんのご意見には大きくうなずいてしまいます。
 また、虞犯についても、「虞犯の虞れのある・・・」とは?法律としても、まれに見るあいまいさ。これでは、少年をみたら非行少年と思え!というのと同じでは、というご意見も伺いました。

 奥山さんからは、ご自身の20年以上の児童自立支援施設(夫婦制)での暮らし・生活の中で、子どもたちと接し、話してこられた経験からお話をしていただきました。施設では、子どもの全てを受け入れる。これが育てるということであり、少年院と違う点。14歳以下の子どもには、「しつけ」の前段階の「愛着」、育て直しが必要である、とのこと。
 また施設では、「ここでは失敗してもいいんだよ」ということを伝え続けていたそうです。失敗を許せる場所でなければ、子どもは育たないのではないのか?という、奥山さんのお気持ちに共感しました。
 また、しょく罪教育についてもご意見を述べられました。児童の側に立つ者には、しょく罪教育はできない。徹底して子どもの側に立つべきだと思う。少年院は今、しょく罪教育に頑張っている。施設と院がそれぞれできることを、協力&手助けしあえないか。「改正」よりも、少年に関わる大人が連携していくことが大事なのでは、というお話をいただきました。

奥山和子さんのお話前半(15分)を聞くことができます。
奥山和子さんのお話後半(8分)を聞くことができます。

 議員は、前回に引き続き、郡和子議員(衆・民)が出席されて、子の福祉に危機感をもって厚労委員になったが、この問題と少年法、教育基本法はつながる問題。全体的な議論が必要、と発言されました。

 その後、40分ほどフロアからの発言となり、郡議員も交えて、会場中で考えるという雰囲気になれたのは何よりでした。

 さて、いよいよ今回の連続学習会は次回が最終回。10/25(水)です。
三好さん、西野さんからどんなお話が飛び出すか、どうぞお楽しみに!!
第3回2006年10月25日(水)11:45 〜14:00
元自立援助ホーム寮母 & フリースペースたまりば主宰
 三好洋子さん & 西野博之さん
 ・集会議事録


 今回の連続院内学習会では最後となる、第3回目の学習会が無事終わりました。50名以上の方にご参加いただき、終わりの方では、共謀罪集会から合流してくださった方もいらっしゃいました。本当にお疲れ様でした。

 議員の方も、 高井美穂議員(衆・民)、千葉景子議員(参・民)、下田敦子議員(参・民)、保坂展人議員(衆・社)、高山智司議員(衆・民)、平岡秀夫議員(衆・民)、仁比聡平議員(参・共)にご参加いただき、ご発言いただきました。秘書の方も数名参加いただきました。

 まずは、津田玄児弁護士から、少年法「改正」法案の問題点を説明いただきました。とてもわかりやすい解説で、また、のちのお二人の発言ともリンクされていて、改悪の怖さを実感できました。津田さんには、最後にもご発言いただきました。

津田玄児弁護士のお話前半(16分)を聞くことができます。
津田玄児弁護士のお話後半(4分)を聞くことができます。

 野口のぶ子さん(元家庭裁判所調査官)から、お二人の紹介をしていただいた後、西野さんが三好さんにインタビューするという形で学習会は進んでいきました。
  • 再犯を減らすためには、自分の行ったことの意味を感じるようになることが必要。
    今の「改正」法案は反対の方向に向かっている。大人の自信のなさの表れではないか。子どもを信じて待つことが大切。

  • 自立援助ホームにいるときは、子どもたちにできるだけたくさん失敗してほしいと思っていた。失敗した数=考えた数になると思うから。

  • いま、納得して少年院に行く少年がどれくらいいるのか。子どもが納得しない「厳罰」は逆効果にしかならない。

  • ここ10年ほど、自尊感情の薄い子どもたちが増えてきた気がする。生きていても仕方がないと思う子どもたちが増えてきた。子どもが生きていることに喜びが持てる社会にするにはどうしたらよいか?「少年を見たら犯罪者と思え」の社会で、子どもたちが生きている喜びを感じられるのか?
                           ・・・・などなど、

 今まで、じっくり時間をかけて子どもたちと関わって来られたお二人から、深いレベルからの問題提起をいただきました。
 お二人の言葉はとても温かく、心がジーンとなって、涙が浮かびそう、そんな素敵な学習会でした。

三好洋子さん&西野博之さん(15分 1/4)を聞くことができます。
三好洋子さん&西野博之さん(15分 2/4)を聞くことができます。
三好洋子さん&西野博之さん(18分 3/4)を聞くことができます。
三好洋子さん&西野博之さん(11分 4/4)を聞くことができます。

 その後、フロアからの発言があって、2時すぎに無事終了となりました。「11月中旬にまた開きましょう!」そんな言葉も飛び交う最後となりました。

 少年法情勢は、11月に大きく動きそうです。改悪を許さない!この気持ちを改めて持ち、再び活動できればと思います。どうもお疲れ様でした。そして、また宜しくお願い致します。



会場:衆議院第二議員会館 第2会議室
  東京メトロ 「国会議事堂前」駅、「永田町」駅、「溜池山王」駅
※参加無料、事前申込不要

呼びかけ団体: (各団体の紹介 http://shinshu.fm/MHz/18.26/archives/0000151476.html)
子どもと法・21、触法少年研究会、東京都地域婦人団体連盟、ふぇみん婦人民主クラブ、日本キリスト教協議会(NCC)教育部、アザワイズ・ジャパン、教育基本法「改正」反対市民連絡会、子どもと教科書全国ネット21、子どもプラスmini編集室、NPO法人東京シューレ(順不同)

− 子どもの育ちと法制度を考える21世紀市民の会 (子どもと法21) − 関連サイト 事務局通信
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